◆ 鯨各部位の味わい ◆


【おのみ】

背ビレから尾までの背中の部分で、脂が霜降り状になった良質な部分を尾の身といい、鯨肉の中でも最も美味しいところ。現在では手に入れるのも困難なほど希少になっている。中でもナガスクジラの尾の身は最高級品とされ、その刺身のうまさは絶品。

 

【かのこ】

クジラのアゴ骨をおおっている部分で、脂肪の中に肉が鹿の子状に散らばっている。良質の物ほど肉の部分が小粒で密集度が高い。尾の身より少し硬めではあるが、脂肪の中に赤い肉が点々と散らばった様子は非常に美しく、食欲をそそる。薄くスライスし鍋、すき焼きに用いると良い。

 

【あぶらすのこ】

クジラの手羽(人間なら腕の部分)の根元にある脂肪分と肉が縞状になった部分。一頭から採取される量も少なく、希少価値が高い。やや硬めだが脂乗りもよく、刺身にして食べると噛むほどに味がよくしみ出しておいしい。すき焼きなどにも利用される。

 

【あかみ】

クジラのほとんどの部分がこの赤身で、その割合は30〜40パーセントを占める。ヒゲクジラの赤身が最もおいしく、特に鮮度の良い上級品を使った刺身はとても喜ばれる。歯鯨の赤身はヒゲクジラのそれに比べて味が落ちるので、塩鯨やジャーキーに利用される。

 

【うねす】

ヒゲクジラの下あごからへその手前までの縦にはしるアコーディオン状の白い部分を畝、その内側の赤い部分を須の子といい、この二つが一緒になったものが畝須。

 

【かわ】

鯨をおおう厚さ4〜6センチの脂肪層。背側は頭部から尾部までで黒く、腹側はへそから尾部までで白く、これを本皮という。味は良く、塩漬けにして保存できる。

 

【ベーコン】

ベーコンは畝須の加工品。畝須を塩水と燻液などの香辛料に入れて、2〜3日重石をのせ漬け込む。それを水煮したものがベーコンとなる。薄くスライスしてそのまま食べてもおいしいが、サラダやピラフの具として使うなど、その利用法は豚肉のベーコンと変わらない。

 

【かぶらぼね】

鯨の上アゴの中心を縦に走っている骨の中の軟骨をかぶら骨と呼ぶ。九州地方の特産、松浦漬けは、このかぶら骨を千切りにし粕漬けしたもの。

 

【ころ、かんころ】

マッコウクジラの皮をころ、それを油で揚げ、油を絞り乾燥させたものを干ころという。関西のおでんには欠かせない存在。さえずりと同様に戻し、使用する。

 

【さえずり】

脂を抽出した後の鯨の舌をさえずりと呼ぶ。鯨の舌は脂肪分がとても多く、舌といってもその大きさは巨大。舌の根元と先では味、歯ごたえもだいぶ変わってくる。生さえずりの脂肪分には驚くほど。乾燥させたものもあり、水で戻し、煮物やおでんに使用する。

 

【おば】

鯨の尾の部分。骨はなく脂肪、ゼラチン質が豊富。薄くスライスして茹でるとチリチリとなり、雪のように真っ白な姿と独特の歯ごたえが楽しめる。

 

【うでもの】

左上がたまと呼ばれる鯨の睾丸。右上がまめわたと呼ばれる腎臓。手前は小腸で百尋と呼ばれる。一見グロテスクだが味は良く、百尋はおめでたい席に出される。

   

 

 

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